丸ヨ建設 名古屋支店 R7・11月 『モノからコトへ、そして“トキ”へ。変わりゆく消費行動のいま』
スマホで何でも買える今の時代。
それでも私たちの消費行動は“便利さ”とは逆方向へ進化しています。
かつては「良いモノを持つこと」が豊かさの象徴でしたが、今は「どう選ぶか」「どんな体験をするか」が重視されるようになりました。
社会の価値観が変わる中で、消費の基準も静かに、確実にシフトしています。
モノ消費:豊かさ=所有だった時代
昭和から平成初期にかけて、経済が成長していた時代は、“持つことそのものが価値” とされていました。
家電、車、ファッション…モノを持つことでステータスを示す文化がありました。
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良い車を持つ
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ブランド物を買う
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家は大きいほど良い
豊かさは「量」や「価格」で測られていた時代です。
コト消費:体験・経験を求める時代へ
平成後期になると「モノはもう足りている」という価値観が広まり、“何を体験したか”に重きが置かれるようになりました。
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旅行やアクティビティ
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セミナー・ワークショップ
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体験型レストラン、イベント
SNSの普及も後押しして、「どんな経験をしたか」が個人の満足度につながる時代に変化しました。
キャンセル消費:買わないことに価値が生まれる時代
令和に入り、さらに価値観は進化します。
最近増えているのが、“あえて買わない”という前向きな選択=「キャンセル消費」。
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セールでカゴに入れたけど最終的に購入しない
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衝動買いを一度立ち止まる
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本当に必要かどうかを自分軸で判断
SNSでも「買わずに済んだ!えらい!」というポジティブな投稿が増えています。
今は「買うこと」よりも、“無駄をなくす”“自分に合うものだけを残す”という価値が強まっています。
さらに深まる“選ぶ力”:ロジカルショッピングの広がり
キャンセル消費と同時に注目されるのが、“理由を持って買う”=ロジカルショッピング。
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価格よりコスパ
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流行より自分に本当に必要か
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感情より情報と根拠
買うこと自体が悪いのではなく、“納得して買う”ことが重要になっているのがポイントです。
すべては「自分の軸」で選ぶ時代へ
モノ消費、コト消費、キャンセル消費、ロジカルショッピング。
すべてに共通するのは、「他人の価値観」ではなく「自分の価値観」を基準にすること。
そしてこの流れは、あらゆる業界に影響を与えています。
建設業界でも、価格やデザインだけでなく、安全性、快適性、アフターサポート、環境配慮など、“納得できる理由”を求める人が増えています。
まとめ
消費の進化は、時代の価値観の変化そのもの。
「持つ豊かさ」から、「体験する豊かさ」、そして「選ぶ豊かさ」へ。
これからは、“何を買うか”より「どう選ぶか」が問われる時代。
企業には、ただ商品を売るのではなく、“選ばれる理由”を丁寧に伝える姿勢が求められています。


