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震度6弱って、なにが起こるの?建物を守る3つの地震対策について解説

作成日:2026.10.27 更新日:2026.10.27

震度6弱って、なにが起こるの?建物を守る3つの地震対策について解説

日本は世界でも地震が多い国として知られています。これまでにも大きな地震が繰り返し発生し、住宅や工場、商業施設などの建物だけでなく、私たちの日常生活にも大きな影響を与えてきました。

1995年の阪神・淡路大震災、2016年の熊本地震、2018年の大阪府北部地震、2024年の能登半島地震など、日本各地で発生した大地震は、建物の倒壊や損傷、交通機関の停止、停電、断水など、さまざまな被害をもたらしました。

地震は、いつ、どこで発生するかわかりません。

特に震度6弱以上の強い揺れでは、人が立っていることさえ難しくなり、建物や家具にも大きな影響が及ぶ可能性があります。

では、震度6弱とは具体的にどのような揺れなのでしょうか。

また、大きな地震から建物を守るためには、どのような対策が必要なのでしょうか。

今回は、震度6弱で起こる現象や過去の大地震による被害、そして建物を守る「耐震・制震・免震」の3つの地震対策について、わかりやすく解説します。

震度6弱とは?どのくらいの揺れが起こるの?

地震のニュースでよく耳にする「震度」とは、ある場所で地震が発生したときに、どの程度の強さで揺れたのかを示すものです。

日本の震度階級は、震度0から震度7までの10段階に分けられています。

例えば、震度1では屋内で静かにしている人の中に、わずかな揺れを感じる人がいる程度です。

震度4になると、ほとんどの人が揺れに驚き、天井からつり下げられた照明などが大きく揺れることがあります。

さらに震度5強では、物につかまらないと歩くことが難しくなるなど、人の行動にも大きな影響が出始めます。

震度6弱では立っていることが困難になる

気象庁によると、震度6弱では立っていることが困難になり、周囲の物につかまらないと姿勢を保つことが難しくなります。

室内では、次のような現象が起こる可能性があります。

  • 固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある

  • 食器や本などが棚から落下する

  • 建物がゆがみ、ドアが開かなくなる場合がある

  • 窓ガラスや壁のタイルが破損・落下する

  • 家具の転倒によって避難経路がふさがれることがある

特に注意したいのが、家具の転倒や落下物によるけがです。

建物自体が倒壊しなかったとしても、大きなタンスや本棚が倒れることで、人が下敷きになる危険があります。

また、屋外でもブロック塀や外壁、看板などが破損する可能性があるため、揺れが収まった後の移動にも十分な注意が必要です。

なお、震度は各地点の揺れの強さを示し、マグニチュードは地震そのものの規模を示します。どちらも地震を知るうえで重要ですが、意味は異なります。

過去の大地震から学ぶ建物の安全性と地震対策

日本では、これまでにも震度6弱を超える大きな地震が何度も発生しています。

特に阪神・淡路大震災、熊本地震、大阪府北部地震、能登半島地震では、住宅や建築物に大きな被害が発生しました。

それぞれの地震を振り返り、建物の安全性について考えてみましょう。

1995年 阪神・淡路大震災|建物の倒壊と耐震性能の重要性

1995年1月17日午前5時46分、兵庫県南部を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、最大震度7の揺れに見舞われました。

神戸市を中心に多くの住宅や建築物が倒壊し、火災や道路の損傷など、甚大な被害が発生しました。

特に、古い耐震基準で建てられた建物では大きな被害が見られ、建物の耐震性能や老朽化への対策が改めて注目されました。

この地震をきっかけに、既存建物の耐震診断や耐震改修の重要性が広く認識され、耐震改修を促進するための制度整備も進められました。

建物の安全性は、建設時だけでなく、その後の維持管理によっても守っていく必要があります。

2016年 熊本地震|繰り返す強い揺れへの備え

2016年4月14日と16日に発生した熊本地震では、最大震度7を2度観測しました。

住宅や建築物の倒壊・損傷、道路や橋などの被害が発生し、強い揺れが繰り返されることの危険性が改めて注目されました。

地震は、一度の大きな揺れで終わるとは限りません。

最初の揺れで建物に損傷が生じ、その後の強い揺れによって被害が拡大する場合もあります。

そのため、地震後に建物のひび割れや傾きなどが確認された場合は、安易に使用を続けず、専門家による安全確認を行うことが重要です。

2018年 大阪府北部地震|都市部の地震被害

2018年6月18日午前7時58分に発生した大阪府北部地震では、最大震度6弱を観測しました。

朝の通勤・通学時間帯に発生したこともあり、鉄道の運休や道路の混雑など、都市生活に大きな影響が生じました。

また、住宅の損傷やブロック塀の倒壊、停電、断水などの被害も発生しました。

この地震では、建物そのものの耐震性能だけでなく、ブロック塀や外壁、設備などの安全対策も重要であることが改めて認識されました。

建物の周囲も含めた点検や維持管理が、被害を防ぐうえで大切になります。

2024年 能登半島地震|建物の老朽化と耐震対策の重要性

2024年1月1日午後4時10分に発生した能登半島地震では、最大震度7を観測しました。

住宅や建築物の倒壊・損傷に加え、道路の寸断、地盤の変形、津波など、広い範囲で甚大な被害が発生しました。

建物の被害には、耐震性能や築年数、建物の状態、地盤条件など、さまざまな要因が関係しています。

特に、老朽化した建物や耐震性能が不足する建物では、大きな被害につながる可能性があります。

この地震は、既存建物の耐震診断や補強工事、日頃からの維持管理の重要性を改めて考えるきっかけとなりました。

4つの大地震から学べること

これらの地震は、発生した地域や地盤、建物の状況などが異なるため、被害の特徴もそれぞれ違います。

しかし共通しているのは、建物の安全性を確保することが、人命を守り、その後の生活や事業を支えることにつながるという点です。

地震が発生してから対策を考えるのではなく、日頃から建物の状態を確認し、必要な備えを進めておくことが大切です。

震度6弱による建物への被害とは?

地震による建物の被害は、建物の構造や築年数、耐震性能、地盤の状態などによって異なります。

同じ震度6弱を観測した地域でも、大きな損傷が発生する建物もあれば、比較的被害が少ない建物もあります。

ここでは、代表的な建物の構造ごとに、考えられる被害を見ていきましょう。

木造住宅の場合

木造住宅は、日本の住宅で広く採用されている建築構造です。

木材には軽量で加工しやすい特徴があり、適切に設計・施工された木造住宅は、地震に対する強さも備えています。

しかし、耐震性能が不足している建物や老朽化が進んでいる建物では、次のような被害が発生する可能性があります。

  • 外壁や内壁にひび割れが発生する

  • 屋根瓦がずれたり、落下したりする

  • 柱や梁、接合部分が損傷する

  • 建具がゆがみ、窓やドアが開きにくくなる

  • 耐震性が低い建物では、大きく傾いたり倒壊したりする

特に古い耐震基準で建てられた住宅では、耐震診断や必要に応じた補強工事を検討することが大切です。

鉄骨造・鉄筋コンクリート造の場合

鉄骨造(S造)は、工場や倉庫、事務所などで多く採用されている建築構造です。

一方、鉄筋コンクリート造(RC造)は、マンションや病院、学校など、幅広い建物に採用されています。

どちらも適切な設計と施工によって耐震性能を確保できますが、強い地震では次のような被害が発生することがあります。

  • 壁や柱、梁などにひび割れや損傷が生じる

  • 外壁や仕上げ材が破損・落下する

  • 鉄骨の接合部分やコンクリートの構造部分が損傷する

  • 建物の変形によってドアや窓が開きにくくなる

コンクリートに発生するひび割れには、比較的軽微なものから、構造部分の損傷によるものまで、さまざまな種類があります。

ひび割れの幅だけで建物の安全性を判断することはできません。

地震後に新しいひび割れや柱・梁の損傷が見つかった場合は、建築の専門家に点検を依頼しましょう。

高層ビルの場合

高層ビルでは、「長周期地震動」と呼ばれる、比較的ゆっくりとした大きな揺れが長く続く場合があります。

建物の高さや構造によって揺れ方は異なりますが、高層階ほど大きく揺れることがあります。

その結果、室内の家具やコピー機などが移動したり、エレベーターが停止したりする可能性があります。

高層ビルでは、建物の倒壊を防ぐだけでなく、室内で働く人の安全を確保するための対策も重要です。

地震によって交通機関やライフラインにも影響が出る

震度6弱の地震では、建物への被害だけでなく、私たちの生活を支える交通機関やライフラインにも影響が生じることがあります。

例えば、鉄道では安全確認のために列車が緊急停止し、運転再開までに時間がかかる場合があります。

道路でも、地割れや陥没、落下物などによって通行が制限されることがあります。

また、電気・水道・ガスなどが使えなくなることで、生活や事業活動に大きな支障が生じる可能性があります。

こうした被害に備えるため、日頃から飲料水や非常食、懐中電灯、モバイルバッテリーなどを準備しておきましょう。

企業では、従業員の安否確認方法や避難場所、緊急時の連絡体制などを決めておくことも重要です。

地震発生後は、まず自分自身の安全を確保し、気象庁や自治体などの信頼できる情報を確認しながら、落ち着いて行動しましょう。

地震に強い建物をつくる3つの地震対策とは?

日本では、地震による建物の倒壊や損傷を防ぎ、人命を守るために、さまざまな建築技術が採用されています。

代表的な地震対策には、「耐震」「制震」「免震」 の3つがあります。

それぞれ仕組みや特徴が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。

① 耐震|建物の強さで地震に耐える

耐震とは、柱や梁、壁などの構造部分を強くすることで、地震の揺れに耐える建築技術です。

地震による力を建物全体で受け止め、倒壊や崩壊を防ぐことを目的としています。

例えば、鉄骨造の建物では、柱と梁を適切に接合したり、筋交い(ブレース)を設けたりすることで、地震に対する強度を高めます。

鉄筋コンクリート造では、柱や梁、耐震壁などを組み合わせて地震の力に抵抗します。

日本の建築基準法では、建築物に求められる耐震性能について基準が定められています。

現行の耐震基準では、建物の用途や規模などに応じて、大きな地震に対しても倒壊・崩壊を防ぎ、人命を守ることを基本的な目標としています。

ただし、耐震基準を満たしていても、地震後に建物が損傷しないわけではありません。

建物の安全性とともに、設備や家具の転倒防止なども考えることが重要です。

② 制震|地震の揺れを吸収して建物を守る

制震とは、建物に専用の装置を設置して、地震による揺れのエネルギーを吸収し、建物の揺れや損傷を抑える技術です。

代表的なものに「ダンパー」と呼ばれる装置があります。

ダンパーには、油の抵抗を利用するものや金属の変形を利用するものなど、さまざまな種類があります。

これらの装置が地震によるエネルギーを吸収することで、柱や梁などへの負担を軽減します。

制震構造は、高層ビルをはじめ、さまざまな用途の建築物で採用されています。

繰り返し発生する揺れに対しても、建物の損傷を抑える効果が期待できることが特徴です。

ただし、揺れを完全になくせるわけではなく、建物の構造や装置の配置などによって効果が異なります。

③ 免震|地面の揺れを建物に伝わりにくくする

免震とは、地面と建物の間に専用の装置を設け、地震の揺れが建物に直接伝わりにくくする技術です。

代表的な装置に「積層ゴム」があります。

積層ゴムは、ゴムと鋼板を交互に重ねてつくられたもので、建物の重さを支えながら、水平方向に変形する仕組みを持っています。

地震が発生すると、この装置が変形することで、地面の激しい揺れが建物に伝わるのを抑えます。

免震構造は、病院や庁舎、マンション、重要な設備を持つ施設などで採用されています。

建物内部の揺れを軽減することで、家具や設備の転倒・移動を抑える効果も期待できます。

一方で、免震装置の設置スペースや費用、定期的な維持管理などを考慮する必要があります。

耐震・制震・免震はどれを選べばいい?

3つの地震対策には、それぞれ異なる特徴があります。

耐震は建物そのものの強さで地震に耐える方法、制震は装置によって揺れのエネルギーを吸収する方法、免震は地面の揺れを建物に伝わりにくくする方法です。

では、どの方法が最も優れているのでしょうか。

実は、どれか1つがすべての建物に適しているわけではありません。

建物の規模や高さ、用途、構造、敷地条件、予算などによって適した対策は異なります。

例えば、工場や倉庫では、建物の耐震性能だけでなく、大型設備や保管ラックなどの転倒防止も重要です。

病院や公共施設では、地震後も必要な機能を維持できるように、建物と設備を一体で考えた対策が求められます。

新築や増築、改修工事を検討する際には、建築の専門家と相談しながら、建物の用途に合った地震対策を選ぶことが大切です。

工場・倉庫・事務所で今からできる地震対策

地震への備えは、住宅だけでなく、工場や倉庫、事務所などの事業用建築物でも重要です。

特に工場や倉庫では、大型の機械設備や重量物、高く積み上げられた荷物などが多く、地震によって転倒・落下する危険があります。

そのため、建物の耐震性能に加えて、次のような対策を進めておくことが大切です。

  • 建物の耐震診断や定期的な点検を行う

  • 機械設備や保管ラックを適切に固定する

  • 重量物の落下や荷崩れを防止する

  • 避難経路や非常口を確保する

  • 従業員の安否確認や避難訓練を実施する

  • 停電や断水に備えた事業継続計画(BCP)を検討する

また、建物は時間の経過とともに劣化するため、定期的な点検や適切な維持管理も欠かせません。

特に築年数が経過している建物や、これまでに大きな地震を経験した建物では、必要に応じて耐震診断や補強工事を検討しましょう。

大切なのは、地震が発生してから対策を考えるのではなく、日頃から建物の安全性を確認し、必要な備えを進めておくことです。

まとめ|震度6弱の地震から人と建物を守るために

震度6弱の地震では、人が立っていることが困難になるほどの強い揺れが発生し、建物や家具、交通機関、ライフラインなどに大きな被害が生じる可能性があります。

阪神・淡路大震災、熊本地震、大阪府北部地震、能登半島地震など、過去の大地震からも、建物の安全性と日頃からの備えがいかに重要であるかがわかります。

建物を地震から守るためには、「耐震・制震・免震」という3つの技術があり、それぞれの特徴を理解したうえで、建物に適した対策を検討することが重要です。

また、地震対策は新築時だけのものではありません。既存建物の耐震診断や補強工事、設備の固定、定期的な点検なども、被害を軽減するための大切な取り組みです。

住宅はもちろん、工場・倉庫・事務所などの事業用建築物でも、働く人の安全と事業の継続を守るために、地震への備えを見直してみてはいかがでしょうか。

地震に強い建物づくりは、建物を守るだけでなく、そこで暮らす人や働く人の命、そして未来を守ることにつながります。

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